ジョーンズ ラング ラサール株式会社

アートが毎回変わることで、来社されるお客様との会話のきっかけになります。

2024.09.09

ジョーンズ ラング ラサール株式会社は、米国イリノイ州・シカゴに本部を置き、不動産に関わるすべてのサービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。今回は、アートキュレーションサービスを東京本社オフィスに導入いただいた有田さん(Project Development Services)、三沢さん(JLL Design Solutions)、髙橋さん(Office Leasing Services)に導入の背景やアートの魅力をお伺いしました。

Q1 アートキュレーションサービスを導入いただいた、きっかけを教えてください。

JLLはグローバルで、オフィスの「WELL認証 ※1」取得を目標に掲げており、特に、東京本社については、最高ランクのプラチナを目指していました。その要素のひとつとして、アートをオフィス空間に設けることを当初から必須要件だと捉えていました。

しかし、以前のオフィスでは購入を前提としており、何年も同じ作品が展示されたままでアート作品を設置する効果が十分に発揮されているのだろうかという課題もありました。

そこで、新しいオフィスでは、空間に変化を与えられる要素を探しており、The Chain Museumさんのサブスクリプションサービスが非常に面白いと思い、キュレーションを含めてお願いしました。(有田さん)

写真:左から三沢 里彩さん、有田 早希さん、髙橋 舞さん
写真:左から三沢 里彩さん、有田 早希さん、髙橋 舞さん
※1 WELL認証:2014年にアメリカで始まった認証制度で、ビルやオフィス空間で過ごす人の「健康とウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好であること)」に注目し、建物空間の機能をパフォーマンスベースで測定・評価・認証する国際的な評価指標。「空気」「⽔」「心」「運動」などの10の項⽬によって評価され、取得点数によりプラチナ、ゴールドなど4つのレベルに振り分けられる。

Q2 アート作品を選ぶ基準や、社内で決めるプロセスでの苦労などがあれば教えてください。

今回は、オフィスのデザイン自体もかなり議論して作り上げていたので、その中に突如デザイナーの意図から外れるアートが出現したら、統一感を乱すのではないか?という不安も最終意思決定者の中では正直出ていました。

ただThe Chain Museumさんからのご提案は、空間にある石や植栽、木材の要素との調和を考慮して水にまつわるテーマ性を持ったキュレーションで、作品を見た第一印象だけでなく選定背景のコンセプトを踏まえて検討ができました。

また、そもそもアートに対して、人の好き嫌いや感性の違いがあること自体が、私達の多様性の表現として相応しいのではないかという話があり、必ずしも好みや価値を見出すことを決定の軸にはしませんでした。さらに、あまり展示機会を得られていない作家の支援も含めて、アートを取り入れたい思いもあったので、作品自体とその作家の属性、選定の意図について丁寧にご説明いただいたことがありがたかったです。

その後作品を交換していく過程で、社員にアートを選んでもらう投票を実施しましたが、すごく面白いと好評でした。投票率も高く、多くの社員がオフィスのアートに対する関心を持ってくれているように感じました。(有田さん)

自然と人が集まりコミュニケーションが生まれる「公園」というオフィスの空間コンセプトを元に、水にまつわる作品を選定。
自然と人が集まりコミュニケーションが生まれる「公園」というオフィスの空間コンセプトを元に、水にまつわる作品を選定。

Q3 実際にアート作品が展示されて、社内外の方からどのような反応がありましたか?

アートが毎回変わることで、違った雰囲気が楽しめるオフィスになったと思います。また、打ち合わせ等で複数回来社いただくお客様の中には、また雰囲気が変わったと気づいてくださるお客様も多くいらっしゃいます。会話のきっかけにもなりますし、アートがなければ生まれなかった会話もできて良いです。(髙橋さん)

会議室から移動している時に「そういえばこの入口横のアート、変わったんですよ。」「私まだ気づいてなかった!」という会話が芽生えたり、それがきっかけで雑談が増えたり、社内メンバー間のコミュニケーションにつながっていると実感します。社外の方がアートに近寄って「これはなんですか?」と聞かれるところから話に繋げていったり、打ち合わせ前のアイスブレイクになったりする場面もありましたね。(三沢さん)

体験型の作品で、近づいて紫外線を当てると文字が浮かび上がる作品など、仕掛けのあるアートが1つは含まれています。美術館だとそこまで近づいて見ることのできない作品を、普段一緒に美術館やギャラリーに行かないような人たちと一緒に見られるのも新鮮です。(有田さん)

実際にアート作品が展示されて、社内外の方からどのような反応がありましたか?

Q4 今まで展示した作品の中で、印象に残っている作品や好きな作品はありますか?

青山悟さんの作品です。お名前を聞いたことがない若い新人の方が多いのですが、少し前に、偶然横浜のグループ展で見た刺繍の作家さんで印象に残っていたので嬉しかったです。(三沢さん)

写真:Just a piece of fabric / 青山悟
写真:Just a piece of fabric / 青山悟

私は、初回の三浦光雅さんの青色のアートがすごく良かったです。表面のテイスト感も本当に水っぽい感じで。(髙橋さん)

写真:Untitled / 三浦光雅
写真:Untitled / 三浦光雅

個人的には、1回目のカズ・オオシロさんのH鋼を模した作品が印象的でした。好みや感性を素直に口にできる機会はあまり仕事中にないので、それもアートだと立場などを超えて気軽にできるのが良いなと思いました。(有田さん)

写真:Untitled Steel Beams / カズ・オオシロ
写真:Untitled Steel Beams / カズ・オオシロ

Q5 アートを購入ではなく、サブスクすることによって良いと思う点はありましたか?

オフィス改装を検討されるクライアントのご担当者様から、よくアートについてのお困りごととして、「日当たりとか管理が大変だからアートはうちには置けないんだよね」というお話をよく聞きます。サブスクで頻繁に変えられて自社で管理をする必要がない点が非常に魅力的だと思います。あとは、やはりアートが変わることで、オフィスの雰囲気にも新たな風が吹き込み、新鮮な気持ちでお仕事ができるので、すごく嬉しいです!(髙橋さん)

アートを購入ではなく、サブスクすることによって良いと思う点はありましたか?

仕事柄、やはりアートって欠かせないものだと、インテリアをやる側としては思うんですよね。ホテルのエントランスなどは、アートを主軸にインテリアを作ることもありますが、オフィスという空間は、アートを導入するときにクライアント側の理解度などがすごく難しいと思います。今回のようなサブスクシステムは、管理やメンテナンスが大変だとか、そういったお客様にもすごく効果的だと思いました。(三沢さん)

アートを購入ではなく、サブスクすることによって良いと思う点はありましたか?

Q6 最後に、オフィスにアートを入れる魅力について教えてください。

このオフィスを作るにあたって、JLLとして重きを置いている価値観を表現し、象徴するような場所を作りたいという思いがありました。その一つが多様性の尊重です。

仕事上では、最善な選択肢を追求し、こうした方が課題解決度合いが高いとか効率的だといった議論をすることはあっても、どちらが好きとか嫌いとか、そういった個人的な主観的な意見を話す機会は限られています。その中で、アート作品を通じて自分の上司や立場が違う人たちとも対等に自分の主観的な気持ちを話せる、それをオフィスでできるというのは、すごくありがたいことだと思います。

例えば、自分がこの目の前の作品があまり好きでなくても、上司が好きだと言っている。では、自分は何を理由で苦手だと感じるのだろう、どの部分が好きなのか、そこの気持ちの深堀りや言語化ができるようになると、普段言いづらいと感じているようなことでも、言語化して話すヒントになるように感じます。業務において上司や同僚と自分が異なる意見を持っていた時に、どのようにコミュニケーションを取れば自分の言いたい事を伝え、相手の意図も汲み取れるのか。そういうことを考えるきっかけが、私はアート作品にあるのではないかと思っています。そういう体験が美術館ではなくオフィスの中でできることは、すごく貴重な時間になっていますし、それがアートの魅力だと思います。(有田さん)

写真:左から三沢 里彩さん、有田 早希さん、髙橋 舞さん
写真:左から三沢 里彩さん、有田 早希さん、髙橋 舞さん